特集 屎尿と塵芥処理
都市に於ける塵芥処理の諸問題
海淵 養之助
1
1神戸市建設局下水部
pp.21-25
発行日 1957年9月15日
Published Date 1957/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201873
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I.処理法
塵芥の処理法として焼却,埋立,堆肥化等の諸方法がある。今その何れの方法を撰ばんとするかは全くその都市の立地条件に左右されるのである。即ちその方法及び位置は都市計画上の見地から決定されるべきであり,施設費,運搬費,運営費が最少にして敷地附近からの苦情もなく,衛生的条件を充たす様計画されねばならない。
塵芥を焼却する場合,その有する熱価値が極めて低いので,兎角煙を出したり臭気を出したりして熱管理が難しい。又埋立の場合には蝿,臭気の発生を伴い易い。単なる野積堆肥場はごみ捨場と化し易い。今塵芥の運搬経済圏内に適当なる埋立地とか農耕地がある場合,何れの処理法を採用するにしても技術的困難は伴わず,そして施設の程度も下げることが出来るだろう。然しこの様な場所が見出し得ず,市内に処理場を建設せざるを得ない場合には高度の内容を必要とする。偖而焼却,埋立法の研究,高度化等については既に諸権威により研究されておること故,ここでは塵芥の堆肥化に関して述べることとする。
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