豫報・速報
子宮癌根治手術に伴う尿閉に對するVitamin B1の脊髓蜘蛛膜下腔注入による效果に就て
木多 泰正
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人教室
pp.252
発行日 1951年6月10日
Published Date 1951/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200501
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1.子宮癌の根治手術には,手術の性質上必ず膀胱麻痺を伴う。その持續は短きは1週,長きは數週に亘り,よく腎盂炎を併發する。かくして患者を惱す事が大である。從つてこの治療,即ち早期に機能を恢復せしめる事は婦人科手術家の關心事とせる所であるが,從來確な治療法がなかつた。
2. そこに土屋氏の實驗(所謂膀胱括約筋の電氣切除術)があり,安井氏により紹介され推奬された。この法に就いても教室では10例程,泌尿斜の金子助教授にも依頼し施行したが,よい成績を得ていない。恐らく手技の不備によるものであろうが,要するに吾人はもつと簡單で何人にも可能であり,且つ,有效な方法を要望していた。然るに安藤教授の思いつきでVitamin B1の脊髓蜘蛛膜下腔注入法を始めたが,意外にも好成績であるのでここに速報する。
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