綜説
子宮頸癌に於ける骨盤内リンパ節の態度(2)
高木 聰一郞
1
1長崎大學醫學部産婦人科教室
pp.341-345
発行日 1950年9月10日
Published Date 1950/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200381
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3.リンパ節の一般病理
先ず最初に細胞成分について言えば第1にリンパ節が靜止状態の時には網状織細胞は少いが病的の時には増加する傾向にある.なほ共に内皮細胞も増加するが兩者の區別は形態學的には確然と區別出來ない.唯染色上網状織細胞の原形質中にはKarminkörnは見出されるが内皮細胞のそれは少い.プラスマ細胞は正常の状態でもリンパ節の中にあるか否かは未だ判然としない.此れは支配神經を切斷すると多くたり退行性の變化を起す.然し大體漫性炎症の際に見られるし,炎症が去つた後でも長い間存在するものである.通常しかしこれは髓索の中にあつて胚中心には見出されないものである.Russel氏小體についてはプラスマ紬胞と同様な考え方がある.
これは赤血球の如く赤く染まる小體で細胞の原形質の中に出來る.Sternberg(14)は人間のリンパ節中には正常の状態で見られるが動物のリンパ節では稀であるとしている.これが全く正常の状態でも現われるか或は個體の變化を現わすものであるかはなわ疑問の存在する所である.然し病的の變化が感得される組織に現われることは一應確實である.
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