症例研究
子宮頸癌に於ける頸部リンパ節転移に就いて
山口 茂安
1
,
宮村 通敏
1
,
椎木 賢三
1
1長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.267-270
発行日 1954年5月10日
Published Date 1954/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201027
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緒言
子宮癌の頸部リンパ節転移は従来稀なものとされているが,吾々は最近昭和22年4月から昭和28年7月まで,当教室に子宮頸癌で入院治療した患者313例中6例の頸部リンパ節転移(左側5例,両側1例)と他病院で手術した1例の左側頸部リンパ節転移を経験した。これに就いて,S.Ernst1)は「最初Morgagni, van Smietenが報告し,その後Virchowがこの限局部位の説明を詳しく発表し,下腹部の癌の診断上重要な徴候で,特に胃癌に多く,女子性器癌では比較的稀であり,Troi—Sierも同様なことを述べ,頸部リンパ節の転移は何れの臟器からも起り得るといつている。」と述べている。本邦では中村2),小原3),加藤5),江口5)等の報告がある。吾々は茲に7例に就いて観察した所を報告する。
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