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先天性魚鱗癬の1例
木內 五一
1
,
坂倉 啓夫
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
pp.438-440
発行日 1949年11月10日
Published Date 1949/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200279
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緒言
本症は稀有の疾患にして其の名の示すが如く生下時或は胎生時に全身の著明なる角質増殖を來し,共の結果皮膚は乾燥して種々なる不規則な罅隙又は裂溝を形成し,鱗或は雲母の如き外觀を呈す.其の大多數は早期に不幸の轉歸をとるものなり.本症はRichterが(1972年)報告して以來Ingmannに至る迄300有餘の報告あるも本邦に於ては大正2年に井尻が其の2例を初めて發表して以來余等の寡聞の爲か20數例の報告あるを聞くのみ.依つて余等は昭和18年1月10日東京都立下谷産院に於て分娩し其後死亡に至る迄の經過を觀察し得たる1例を追加報告する次第なり.
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