症例研究
先天性魚鱗癬樣紅皮症に就いて
渡邊 英二
1
,
高木 繁夫
1
1東京大學醫學部産科婦人科學教室
pp.247-250
発行日 1950年6月10日
Published Date 1950/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200357
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
1902年Brocqがerythrodermie congenitale iehthyosiformeなる名稱のもとに稀有な臨床症状を呈する皮膚疾患92例を報告し,iehthyosis congenitaの1異型であると提唱して以來,本症に對する一般の關心は頓に高まり,爾來泰西では同名異稱の疾患が多数報告された.飜つて本邦では大正3年井尻氏の第1例を嚆矢とし,日高,西村,栗原,力丸,伊藤,岩間,熊谷,太田,山本,落合,皆見,大原,若林等の記載がある.最近余等も亦生後直ちに發症した本症の1例を經驗したが,斯る幼若な新生兒に就ての觀察例は本邦では余等寡聞にして未だ之を聞かず,泰西でも亦極めて稀有であるので敢て茲に報告して,聊か考察を試みたいと思う.
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.