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子宮癌末期の疼痛に對する前頭葉切離術の應用
牧野 德榮
1
1日本醫科大學産婦人科教室
pp.316-318
発行日 1949年8月10日
Published Date 1949/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200240
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子宮癌による疼痛に對しては從來麻藥の投與,腰椎内酒精注射,コツト氏手術,コルドトミー等種々なる方法があり,相當の効果を擧げているが時として無効であつたり,不充分の事があり患者は勿論,家族も醫師も此の疼痛には惱まされるものである.
さて前頭葉切離術はMonizに依り1935年精神外科の新治療法として始められ精神疾患に對して効果のある事が發表せられて以來多くの人が追試し,好成績を擧げているがWashington大學のFreeman並にWatts教授は更に一歩進んで癌性諸疼痛の如き頑強な諸疼痛に對する緩解法として著効のある事を發表している.1946年Lancet紙上に於ける論文には直腸癌,脊髄癆,腦エンボリー後に於ける半身不隨,關節炎等の激痛に對して報告しているが未だ子宮癌疼痛に對して行われた事は無かつた樣である.
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