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外陰部並に腟血腫に就て
彦坂 恭之助
1,2
,
原田 輝武
1,2
1慶應義塾大學産婦人科教室
2日本醫療團下谷病院
pp.179-183
発行日 1949年5月10日
Published Date 1949/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200201
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緒言
腟壁又は會陰の裂傷は分娩に際し,日常吾人の目撃する處であるが,腟壁乃至外陰部皮膚に損傷なく,粘膜下又は皮下結締織内血管の破綻によつて生ずる血腫は比較的稀である.多くは妊娠,分娩,産褥に關聯して發生するのであるが,時には外傷によつて生ずることもある.血腫が小なる時は臨床的の意義は少いが,大であつてしかも廣範圍に亘る場合は適當の處置を必要とし,稀ではあるが最惡の場合は死の轉機をとることすらあると云われる.
外陰部並に腟血腫の最初の報告はReuff (1544),本邦では前田(1906)であつて,詳細に之を記載したのはDeneux (1830)である.
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