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9歳の少女に發生せる原發性卵集絨毛上皮腫(奇形腫性)の1例に就て
野島 美喜造
1
,
藤倉 孝次郞
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
pp.101-103
発行日 1949年3月10日
Published Date 1949/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200180
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緒言
19世紀の末Marchandにより絨毛上皮腫は妊卵の絨毛上皮に由來すとの組織發生が解明せられて以來,之に續く多數の學者の研究も之を證明せり.他方Schlangenhaufer及びWlassowは睾丸奇形腫に初めて絨毛上皮腫を認め,續いて現在に到る迄かくの如き症例は既に數10例報告され,奇形腫の胎兒性外胚葉細胞に由來するものとす.而してかくの如き睾丸奇形腫と同様に女性卵巣にも奇形腫性絨毛上皮腫の發生をみるが,之は本邦及び歐米の文献に徴しても合せて10數例に過ぎず甚だ稀なり.余等は最近9歳の少女の右側卵巣に奇形腫と考察すべき原發性絨毛上皮腫を經驗せるを以て茲に報告す.
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