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尿ヒスチジンより觀たる不妊症
濱田 敏行
1
1大阪大學醫學部産婦人科
pp.66-69
発行日 1948年4月1日
Published Date 1948/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200111
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緒言
不妊症婦人の治療の要諦も他疾患と同樣,正確なる原因の把握と之の除去に盡きる。受胎はするが維持する事が障碍される不妊症もあるが茲では單に受胎の成立し難い眞の不妊症を問題とする。而も之が産婦人科臨床に於て最も屡々我々の助力を懇望される不妊症なのである。猶又比較的診斷の容易な特殊な場合,例之膣直腸瘻とか男性側の畸型等が存在して不妊の原因の明白な場合等は茲では論じない。
不妊の原因が兩配偶者の埶れに存するがは先づ決定されるべきであるが我々は臨牀上先づ婦人に相談を受ける場合が多い。この場合に問題となるのは婦人の側に於て受胎に對する準備が完了してゐるか否か,換言すれば性器發育が受胎に必要な程度に到達してゐるか否かである。之によつて治療方針が先づ大きく二途に岐れるのは當然である。
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