増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
III 更年期・老年期
片頭痛
岩元 一朗
1
1鹿児島大学医学部産科婦人科学教室
pp.151-154
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103697
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疾患の概要
国際頭痛分類(第2版)では,片頭痛はいくつかの病型に分類されているが,概して前兆のない片頭痛と前兆のある片頭痛に2分される.片頭痛は片側性,拍動性の頭痛で,中等度から重度の強さで,4~72時間持続する.わが国の有病率は約8.4%で,女性が男性より3~4倍多いことが知られている.随伴症状として悪心や嘔吐,音や光過敏を伴うことが多く,日常的な動作により頭痛が増悪する,あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける.前兆は5分以上かけて徐々に進展し,かつ持続時間は60分未満で可逆性脳局在神経症状である.典型的前兆として,視覚症状,感覚症状,言語症状がある.前兆出現中または前兆後60分以内に片頭痛が生じる.片頭痛の発生メカニズムはいまだに明らかにされていないが,セロトニンとの関連性が示唆されている.
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