増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
II 内分泌・不妊
思春期子宮出血
氏原 悠介
1
,
前田 長正
1
1高知大学医学部産科婦人科
pp.49-51
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103667
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疾患の概要
初経後間もない低年齢(11~13歳)で起こる不正出血は,性中枢機能の未熟によるものである.無排卵に起因したエストロゲンの持続的作用による機能性子宮出血が多く,出血量は少なく,腹痛などを伴わないことが多い.一方,初経後2~3年以降に起こる不正出血は黄体機能不全によるものが多い.排卵痛を伴うことや,長期の性器出血を認めることもあり,時に貧血をきたすこともある.これらのほかに,多囊胞性卵巣症候群や外傷,炎症性疾患,腫瘍性疾患,高プロラクチン血症,甲状腺機能亢進症,薬剤(特に抗うつ薬や精神安定剤など),妊娠および流産などが原因となることもあるので,鑑別を要する.
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