増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
I 婦人科感染症・類縁疾患
クラミジア感染症
池田 美智
1
,
高橋 一広
1
,
倉智 博久
1
1山形大学医学部産科婦人科学講座
pp.22-24
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103659
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疾患の概要
クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)が尿道,子宮頸管,咽頭の円柱上皮に感染することで発症する性感染症である.感染女性は2002年をピークとして減少し,2009年にはほぼ半減しているが,性感染症のなかでは最も頻度が高い.20歳台女性に好発し,子宮頸管炎と骨盤内炎症性疾患を発症するが,50~70%は無症状であるため,無治療のまま症状が進行し,卵管性不妊症の原因となることがある.また,妊婦がクラミジアの感染による絨毛膜羊膜炎を発症したり産道感染した場合は,新生児結膜炎,新生児肺炎などの新生児クラミジア感染症の原因となる.これらの感染の蔓延を防止するためにも,積極的に検査・治療を行うことが勧められる.
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