連載 FOCUS
卵巣がんの再発における腫瘍免疫の関与と免疫療法
万代 昌紀
1
,
安彦 郁
1
,
濱西 潤三
1
,
吉岡 弓子
1
,
松村 謙臣
1
,
小西 郁生
1
1京都大学医学研究科婦人科学産科学
pp.408-412
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103305
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はじめに
卵巣がんを含む固形がんに対する免疫療法は,手術療法,化学療法,放射線療法に続く第4の治療法として早くから注目されてきた.しかしながら,最近まで臨床的に有効な免疫療法はなかなか現れなかった.最近になって,基礎免疫学の進歩に基づいた新しい免疫療法が開発され,臨床応用の段階にまで進んでいる.
がんの再発治療はがん治療のなかで最も困難でかつ重要な分野であるが,再発という現象の科学的な理解なしには,再発がんを治療することは難しい.基礎免疫学の分野では,がんの再発において免疫がどのような働きをしているかに関する研究も少しずつ進んできている.本稿では,がん再発における免疫学的側面に関して総括し,これに基づいた免疫療法の開発についても言及したい.
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