症例
診断的腹腔鏡下に偶然発見された消化管外アニサキスの1例
林 博章
1
,
石破 光咲子
1
,
北 香
1
,
中田 俊之
1
1市立旭川病院産婦人科
pp.695-699
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103107
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要旨
受診まで約2週間継続する嘔気と婦人科検診を目的に58歳既婚,2経妊・2経産の女性が初診した.視診では明らかな外性器・腟・子宮腟部の異常を認めず経腟超音波検査で病的腹水を認めたため原因検索を勧めた.内診上,子宮・両側付属器は正常大,可動良好で内性器の可動痛等の骨盤内炎症所見を示唆する異常は認められなかった.初診時の検査データは明らかな炎症所見もなく特記すべき異常値を認めなかった.後日当院内科でGF・CFを含めた諸検査から異常腹水の原因疾患を検索できなかった.腫瘍マーカーは陰性であった.腹腔鏡下に腹壁肉芽腫を生検し病理診断で消化管外寄生虫性肉芽腫的と診断された消化管外アニサキスの1例を経験したので報告する.
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