今月の臨床 卵子の加齢─避けては通れないARTの課題
ARTにおける加齢の問題
宇津宮 隆史
1
1セント・ルカ産婦人科
pp.512-518
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103069
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●ARTと加齢 : 日本産科婦人科学会のデータでは31歳から妊娠率が下降するが,治療患者年齢は35~40歳が最も多い.流産も37歳から上昇する.
●ESHREのpoor ovarian response(POR)の定義 : 本邦でのpoor responderで,40歳以上,卵子3個以下,AFC 5~7個,AMH 1.1 ng/mL以下の場合.
●PGS : 妊娠率に与える効果は確立されていないが,理論的には流産率は下がる.これは流産の原因の80%は染色体異常,特にトリソミーであるためである.
●患者へのサポート : ピア・カウンセリングが効果的である.また,35歳以上の高齢者や治療終結間近の患者サポートも考慮すべきである.
●生まれてくる子の権利 : 非配偶者間医療では子どもの出自を知る権利を最も重要な項目とし,それを保障することが生殖医療従事者の義務である.
●生殖医療のあり方 : 子どもを授からなくても,その後夫婦が幸せに暮らせるような生殖医療を行うべきである.
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