連載 FOCUS
卵子提供および海外渡航治療に対する医師の意識調査からみえること
白井 千晶
1
,
日比野 由利
2
1日本学術振興会
2金沢大学
pp.186-192
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102913
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はじめに
2011年7月に実施した「海外渡航治療と第三者が関わる生殖技術に対する不妊治療担当医師の意識調査」によれば,特定不妊治療費助成施設で長として不妊治療を担当する医師の約半数が「海外渡航すれば卵子提供が受けられるか」との問い合わせを受けたことがある.卵子提供について70%が「国内法を整備して国内実施が望ましい」と考えているのは,危機感のあらわれでもあるだろう.また9割が,一般論として卵子提供に賛成にしても反対にしても「自身は扱わない」と回答している.ただ,こうした回答には,一定の傾向をもったばらつきもみられる.本調査結果も参考に,さまざまな立場の人を巻き込んだ再議論に基づいた,国レベルの方針決定が望まれる.
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