今月の臨床 早産─ワンランク上の予防と管理
早産の予防・診断
3.早産マーカー
菊地 信三
1
,
天野 完
1
,
海野 信也
1
1北里大学病院総合周産期母子医療センター
pp.1438-1442
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102854
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早産は妊娠22~37週未満の分娩で,この時期に分娩に至る恐れのある状態が切迫早産である.早産は,児の未熟性に起因する合併症が問題となり,周産期死亡や,神経後遺障害を残す原因となる.またNICU病床不足などの面からも早産を予防,予知することは,周産期管理の重要課題の1つである.
早産の発生機序は,腟からの上行感染による絨毛膜羊膜炎(CAM)が主な原因であるため,感染やそれに伴う炎症性物質などが早産マーカーとなる.さらに,早産の危険因子の抽出,臨床症状の評価,頸管長計測などが切迫早産の診断,管理に重要である.本稿では,早産の予知や切迫早産の予後判定に有用と思われる早産マーカーについて記述する.
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