連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
羊水腔への出血のため正常血小板数にもかかわらず低フィブリノゲン血症を呈した1症例
中後 聡
1
1愛仁会高槻病院産婦人科
pp.1272-1275
発行日 2011年10月10日
Published Date 2011/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102814
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症 例
■患者 31歳,0回経妊0回経産.
■主訴 下腹部緊満.
■既往歴 子宮内膜ポリープ(全身麻酔下で内視鏡により切除).
■家族歴 特記すべきことなし.
■現病歴
無月経で当院産婦人科を受診し,自然妊娠と診断され経過観察していた.妊娠9週6日に不正性器出血を認め,切迫流産の診断で入院した.入院中に胎嚢周囲にecho free spaceを認めたことから,慢性的な絨毛膜下血腫の存在が性器出血の原因と考えられた.症状が軽快し,妊娠16週5日に当科を退院した.しかし,妊娠22週1日,激しい下腹部痛を訴え,当科に再入院となった.
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