連載 Estrogen Series・99
緊急避妊法Emergency Contraception
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.1276-1277
発行日 2011年10月10日
Published Date 2011/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102815
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予期せぬ(?)性交後に緊急に使用する緊急避妊法(emergency contraception : EC)は1974年にYuzpeにより発表された1).その方法はエストロゲン(E)と黄体ホルモン(P)を組み合わせたものでcombined regimenと呼ばれる.その内容はethinyl estradiol 100 mcgとlevonorgestrel 0.5 mgを組み合わせたものである.その後,levonorgestrel 1.5 mg単剤を1回のみ使用する方法,あるいは同0.75 mgを12時間の間隔で計2回服用する方法が導入された.したがって2種類の薬剤が存在する.後者はPlan Bという商品名で米国内で販売されている.今回は米国産婦人科医会のPractice Bulletin #112(May, 2010)から引用抄訳し,ご紹介したい2).
作用・緊急避妊法の作用は単一ではなく,月経周期のどこで服用されたかによっても相違があるが,主に以下の2作用がある.(1)排卵の抑制または遅延する,(2)子宮内膜の受精卵の受け入れ作用に影響を与え,受精卵の着床を妨げる.さらにまた,(3)精子の侵入を妨げたり,(4)黄体の機能に変化を与える,などの作用が推定されている.
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