今月の臨床 婦人科がんを見逃さないために
婦人科がん早期診断の要点・問題点
3. 子宮体癌
那波 明宏
1
,
吉川 史隆
1
1名古屋大学大学院医学研究科発育・加齢医学講座産婦人科学
pp.1074-1077
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100769
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はじめに
子宮体癌は子宮内膜から発生する悪性腫瘍であり,全世界で年間142,000名の女性が罹患し,42,000名が死亡している1).特に北アメリカ,ヨーロッパなどの先進国では乳癌,肺癌,大腸癌につぐ女性における癌死因別疾患の第4位となっている1).近年,本邦においても子宮体癌は著しい増加傾向にあり,1999年の日本産科婦人科学会報告では治療患者数において体癌2,652名であるのに対して頸癌3,835名であり,子宮癌の41%を占めるに至った.今後も罹患数は激増することが予想されており,2015年の推定罹患数は6,623名である2).
本稿では,子宮体癌の早期診断のポイントとピットフォールにつき概説したい.
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