今月の臨床 静脈血栓塞栓症─予防・診断・治療
産婦人科における静脈血栓塞栓症の現状
小林 隆夫
1
1県西部浜松医療センター
pp.98-103
発行日 2011年2月10日
Published Date 2011/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102560
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)はこれまでわが国では比較的稀であるとされていたが,生活習慣の欧米化などに伴い近年急速に増加している1).血栓症で臨床的に問題となるのは,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis : DVT)とそれに起因する肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)である.PTEはDVTの一部に発症する疾患であるが,一度発症するとその症状は重篤であり致命的となるので,急速な対処が必要となる.本稿では,産婦人科におけるVTEの現状を紹介する.
日本産婦人科・新生児血液学会では,1991年から2005年までに2回全国調査(第1回調査 : 1991~2000年2),第2回調査 : 2001~2005年3))を行った.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.