今月の臨床 ここが問題─若年女性のやせ・肥満
若年女性のやせ・肥満と生殖機能異常
5.ストレス・摂食調節因子によるゴナドトロピン分泌制御
岩佐 武
1
,
松崎 利也
1
,
苛原 稔
1
1徳島大学ヘルスバイオサイエンス研究部産科婦人科学分野
pp.1293-1299
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102461
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はじめに
摂食およびストレスと性機能は密接に関係する.GnRH分泌は中枢・末梢の種々の因子により促進的または抑制的に制御されている.レプチンおよびkisspeptinはGnRH分泌促進因子として作用する.一方,摂食促進因子やストレス関連因子の一部およびgonadotropin inhibiting hormone/RFamide-Related-Peptide(GnIH/RFRP)はGnRH分泌抑制因子として作用する.栄養不良や強いストレスを受けた状態では,GnRH分泌促進因子の抑制とGnRH分泌抑制因子の活性化が同時に起こり,GnRH分泌が低下するものと推測される(図1).本稿ではこれらの因子と,栄養不良・ストレスによる性機能抑制とのかかわりについて概説する.
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