今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
VI 新しい超音波技術の展望
子宮頸部組織弾性イメージング
小松 篤史
1
1東京大学医学部産婦人科
pp.798-801
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102377
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デジタル診断技術がめざましい進歩を遂げるなか,産婦人科において「内診」という診断技術はいまだに重要な位置を占めていることに疑いの余地はない.婦人科領域では子宮筋腫や卵巣嚢腫などの腫瘤の存在・圧痛や硬結の有無・可動性など,産科では子宮口の開大や展退,児頭下降の程度などで,それらとともに内診においてきわめて重要な情報が組織の硬さ(硬度)である.
にもかかわらず「内診」という診断技術は検者の経験や主観に大きく左右され,客観性に乏しいことが問題であった.近年超音波を用いて組織の硬度を客観的に評価する方法(組織弾性イメージング : elastography)が開発され,特に乳腺や甲状腺領域では汎用されつつある.
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