今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
III 産科における超音波診断─妊娠初期
異所性妊娠の診断
佐々木 禎仁
1
,
瀬戸 佐和子
2
,
千石 一雄
2
1国立循環器病センター周産期治療部
2旭川医科大学産婦人科
pp.530-535
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102336
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異所性妊娠は,受精卵着床部位の異常であり,全妊娠の1.5~2.0%に認められ,卵管妊娠が90%以上を占める1, 2, 3).異所性妊娠による母体死亡は減少傾向にはあるが,急性腹症,多量の腹腔内出血,出血性ショックをきたしうる代表的な産科救急疾患の1つである.
異所性妊娠の超音波診断の一般的ポイントとして,(1)子宮外の胎嚢(GS)および胎芽像,(2)子宮内GSの欠如,(3)付属期部位の外妊性腫瘤像,(4)ダグラス窩の液体貯留像が挙げられる4).近年の画像診断,hCG測定法の進歩により,より早期で臨床症状が発現する前に診断,治療が可能となり,それに伴い保存的治療も選択肢として挙げられるようになってきている5, 6).
本稿では代表的な症例を提示し,異所性妊娠の超音波診断法に関し概説する.
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