今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
II 婦人科領域における超音波診断
[乳房疾患の超音波診断]
1.乳がん
植野 映
1
1筑波メディカルセンター・ブレストセンター
pp.492-497
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102329
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腫瘤性病変
乳癌は過去においては乳管から発生するものが乳管癌,小葉内から発生するものが小葉癌といわれてきたが,最近では,乳管癌は小葉内の細乳管から発生すると考えられるようになってきた.乳管癌も含めて乳癌の多くは小葉内から発生していると思われる.小葉内に発生した乳癌は乳管に沿って多層性に進展するが,乳管内では腫瘤は形成しないことが多い.浸潤能を獲得して基底膜を破壊して間質に浸潤すると腫瘤の形成に至る.この腫瘤が超音波では低エコー腫瘤として捉えられる.したがって腫瘤像を呈した乳癌は浸潤性となっていることが多い.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.