今月の臨床 胎児の診断と治療―最近のトピックス
【治療の最前線】
6.超音波治療の基礎研究
市塚 清健
1
,
青木 弘子
1
,
市原 三義
1
,
石川 哲也
1
,
折坂 勝
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学医学部産婦人科
pp.974-979
発行日 2009年7月10日
Published Date 2009/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102141
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はじめに
胎児治療は母体に侵襲を与え,また子宮筋への侵襲が早産という致命的な副作用を引き起こす可能性を有するために,実地臨床での普及が著しく遅れてきた経緯がある.超音波治療は胎児治療のこの難点を一挙に解決する治療法となり得る可能性がある.超音波治療の最大のメリットであり従来のすべての治療法と異なる独創的なところは子宮腔内へ医療機器を挿入する必要がないことである.筆者らは,母体および子宮・胎盤にまったく侵襲を加えない超音波エネルギーを用いた胎児治療法として強力集束超音波(high intensity focused ultrasound : HIFU)を応用する方法を考案したので,本稿ではHIFUについての基本事項と,胎児治療を目指しこれまでわれわれが行ってきた基礎研究および今後の展望について述べることとする.
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