今月の臨床 HRTの新ガイドラインを読み解く
【HRTの適応】
6.メタボリックシンドローム
岩元 一朗
1
,
堂地 勉
1
1鹿児島大学病院女性診療科
pp.836-843
発行日 2009年6月10日
Published Date 2009/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102119
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はじめに
メタボリックシンドロームとは内臓脂肪蓄積を基盤にインスリン抵抗性および糖代謝異常,脂質代謝異常,血圧高値などを合併し動脈硬化になりやすい状態である.一般に男性に多いが女性は閉経後,女性ホルモンが低下すると体脂肪分布が皮下脂肪型から内臓脂肪型へとシフトするためメタボリックシンドロームの頻度が上昇する.女性ホルモンは皮下脂肪型から内臓脂肪型へのシフトを抑制し,またインスリン抵抗性を改善すると報告されているが,現段階で更年期女性のメタボリックシンドロームに対する治療に女性ホルモン補充療法の適応はない.今回われわれの治験を示しつつ,更年期女性とメタボリックシンドロームについて概説したい.
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