連載 産婦人科PET 何を考えるか?・1【新連載】
連載に当たって
岡村 光英
1
1大阪府済生会中津病院PETセンター
pp.665-668
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102093
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フッ素─18標識フルオロデオキシグルコース(18F-fluorodeoxyglucose)を用いた陽電子放出断層撮像検査(positron emission computed tomography),以下,FDG PETは細胞の糖代謝を画像化する検査法で,悪性腫瘍細胞や炎症細胞は正常細胞より糖代謝が盛んなため,強く集積することに基づき病巣部位を検出することができる.ほかの形態画像で判定困難である腫瘍のviabilityを評価できるため,腫瘍診断の新しいモダリティとして臨床に広く用いられるようになってきた.FDG PETは現在13種類の悪性腫瘍の診断の検査として保険が適用されており,子宮癌と卵巣癌に関しては2006年4月から保険適用となっている.最近ではPETとCTの一体型装置であるPET/CTが普及し,FDGの集積部位と同時に撮影したCTと融合した画像が得られるため,診断精度が高くなっている.
「産婦人科PET何を考えるか?」シリーズにおいて,初回はPETの原理,検査方法,画像の評価方法,検査の適応について概説し,さらに2回目以降の疾患の画像診断の前に知っておくべきFDGの生理的集積(病的でない集積)について画像とともに解説する.2回目以降は子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌の病期診断,転移・再発診断,その他の産婦人科疾患,原発不明癌を順に取り上げて行く予定である.
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