今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
I 不妊の検査・診断 F免疫因子
【抗精子抗体】
34.抗精子抗体が陽性の場合は自然妊娠しないのでしょうか.また,陽性の場合は,全例,体外受精に進むべきか教えてください.
藤井 俊策
1
,
福原 理恵
1
,
福井 淳史
1
1弘前大学医学部産婦人科
pp.435-437
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102023
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[1]抗精子抗体陽性例の妊孕性
女性の血中に存在する抗精子抗体(anti─sperm antibody:ASA)や射出精子に結合した男性のASAは,精子の運動性や受精機能を障害して自然妊娠を妨げる可能性がある.ASAの種類や量によっては,人工授精(artificial insemination with husband's semen:AIH)や生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART),さらには顕微授精が必要になることもある.しかし,検出する抗体の種類や検査法によってASAの生物活性は異なり,ASA陽性例が必ずしも不妊となるわけではない.
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