特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XI.感染症
1.検査所見の意味するもの
ASOが陽性の場合
本間 光夫
1
,
藤井 玻黎
1
,
常田 穰
1
1慶大内科
pp.1404-1407
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204328
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SL-Oとその抗体ASO
レンサ球菌から分泌される菌体外物質としては,10種類のものが知られている.
そこでレンサ球菌の感染が生体におこると,これらの物質がヒトの抗体産生細胞に到達してそれぞれの抗体を生じてくる.そのうちStreptolysin-Oに対する抗体をAntistreptolysin-O(ASO)という.現在証明し得る抗体は7種類であるが,ASO以外の反応は,基質や抗原の調整が困難で一定の品質のものが得難いため,一般にASOの測定が行なわれている1).ただ抗デスオキシリボヌクレアーゼB(anti-DNA-ase B),抗ディフォスピリジン・ヌクレオチダーゼ(anti-DPN-ase)や,抗ニコチンアミド・アデニン・ディヌクレオチダーゼ(anti-NAD-ase)の検査法は標準化することが容易で有用な検査法となりうる.とくにanti-DNA-ase Bは他のレンサ球菌抗体よりも長く上昇しつづけるという利点がある.
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