今月の臨床 多胎妊娠―母児のリスクとその管理
新生児合併症とその管理
松井 貴子
1
,
茨 聡
1
1鹿児島市立病院総合周産期母子医療センター新生児科
pp.269-275
発行日 2009年3月10日
Published Date 2009/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101983
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はじめに
近年,不妊治療の進歩により多胎児は増加の傾向にあることはよく知られている.
しかし,多胎妊娠では単胎妊娠と比較し周産期死亡率,子宮内発育遅延,早産,前期破水,妊娠高血圧症候群などの頻度が高く母児ともにリスクが高い(表1).また1絨毛膜性多胎の場合,双胎間輸血症候群(twin to twin transfusion syndrome:TTTS),1児発育遅延,1児死亡,無心体双胎などの病態がみられるため,特殊な管理を要することが多い.そのため,多胎妊娠における膜性診断は特に重要な情報となる.
ここでは多胎児のNICUへの入院に際し必要な準備および多胎児に特有な新生児管理を中心に述べる.
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