今月の臨床 多胎妊娠―母児のリスクとその管理
多胎の帝王切開
田丸 俊輔
1
,
菊池 昭彦
1
1長野県立こども病院産科
pp.263-267
発行日 2009年3月10日
Published Date 2009/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101982
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はじめに
本邦においては近年,生殖補助医療の普及・進歩に伴い多胎妊娠の頻度は増加傾向にある.多胎妊娠は単胎妊娠と比較し,早産率が高く,多胎児の周産期死亡率は単胎児の約5倍である1).偶発母体合併症の頻度も高く,妊娠経過中のみならず分娩時に関しても母児ともに注意深い管理が必要とされる.また,分娩方法(経腟分娩,帝王切開)の選択に関しても確立されたものはなく,分娩時の対応能力などに応じて施設ごとに異なるのが現状である.本稿では,多胎の分娩様式,分娩時期の選択に関して諸家の報告を基に考察し,さらに多胎帝王切開症例の管理法に関して,当科での方針にも触れながら解説する.
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