今月の臨床 エキスパートに学ぶ―漢方療法実践講座
【漢方医学の基礎知識】
3.医学教育における漢方
渡辺 賢治
1
1慶應義塾大学医学部漢方医学センター
pp.1046-1051
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101831
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医学教育の変化
ここ10年ほど,医学教育を取り巻く環境は大きく変貌している.医学に関する基礎ならびに臨床の知識と技術の量は年々増加し膨大なものとなっている.知識偏重の従来の教育方式では倫理観やコミュニケーション能力が軽視されてきた.その結果,医学・医療に求められる社会のニーズの多様化に対応しきれなくなってきた.特に膨大な学習内容のすべてを従来の教育手法で履修させることは不可能となり,また,講座単位の細分化された授業区分が全体像を捉えにくくしているという批判も出てきた1).
このような状況から生まれたのが医学教育モデル・コア・カリキュラムである2).これは「医学における教育プロ グラム研究・開発事業」委員会の組織したワーキング・グループ(佐藤達夫委員長)が42回の会議を経て作成したもので平成13年3月に提出された.
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