特集 CKD診療における漢方と補完代替療法
3.漢方医学の基礎
三潴 忠道
1
1福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座
キーワード:
証
,
陰陽
,
気血水
Keyword:
証
,
陰陽
,
気血水
pp.573-579
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002154
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
漢方治療において最も重要なことは陰証か陽証かの判定で,寒熱がその参考になる.陰証では寒が支配的で,風呂やカイロなど温熱刺激で症状や病態が好転し,冷えると悪化する.陽証は十分に熱産生ができるが,慢性疾患では熱症候が不明なことも多く,冷え症状が乏しいことも参考となる.同様に虚実も重要である.高齢者や虚弱者,長引く難治性疾患などでは陰証に変化しやすい.気血水の異常も重要であるが,陰陽・虚実が基本である.病名や症状による頻用処方はあくまでも参考にとどめる.証は治療効果によって判定され,無効な薬方をいたずらに継続すべきではない.同一患者でも証は経時的に変動しうるので,常に適応の再確認が必要である.
Copyright © 2022, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.