今月の臨床 エキスパートに学ぶ―漢方療法実践講座
【漢方医学の基礎知識】
2.漢方の診察法と診断法
柴原 直利
1
,
条 美智子
1
1富山医科薬科大学和漢薬研究所
pp.1041-1045
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101830
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漢方医学の診察と診断
診察は患者を診断して治療方法を決定する目的で行うということに東西両医学で差はない.ただし,西洋医学では「病名」を診断し,漢方医学では「証」を診断する.証は患者の自覚症状と他覚所見を統合して整理し,○○湯証という1つのパターンとしたものである.このパターンは固定したものではなく,証の変化に応じて,薬方が加減され幅広く活用される.証を決定するためには,望・聞・問・切の四診により患者の身体から情報を取り,漢方医学的病態概念である陰陽・虚実・表裏・寒熱,六病位,気血水,五臓を診断する必要がある.
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