今月の臨床 ART 2006
ART成功率向上のための要点
採卵および卵子の評価
菅沼 信彦
1
,
若原 靖典
2
,
森脇 崇之
3
1京都大学医学部保健学科
2豊橋市民病院不妊センター
3トヨタ記念病院不妊センター
pp.44-47
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100008
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はじめに
1978年に最初の体外受精児が誕生して以来,ARTは最先端の不妊治療として目覚ましい進歩をとげ,全世界に広まった.1992年にはICSI法による妊娠例が得られ,男性不妊を含めたすべての不妊症が克服されることが期待された.しかしながら1990年代後半よりその成功率の上昇は頭打ちとなり,採卵当たりの妊娠率で20~30%,生産率は15~25%で停滞し今日に至っている.この間,ART成功率向上のため新たな試みが数多くなされてきたが,本稿では主に卵子の評価法と,low quality oocyteの改善に関する新たな研究成果を概説する.
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