今月の臨床 妊婦の感染症
妊婦の感染─胎児への影響と対策
8. パルボB19ウイルス感染胎児に対する診断と治療
吉田 昌史
1
,
松田 秀雄
1
1防衛医科大学校産科婦人科学講座
pp.859-861
発行日 2008年6月10日
Published Date 2008/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101797
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はじめに
これまで胎児パルボB19ウイルス(以下,B19)感染症では,胎児採血または中大脳動脈血流速度の測定1)による胎児貧血の診断がなされ,胎内治療の適応が考えられてきた.しかし,胎児感染・胎児低酸素・心筋障害の程度を測る指標があれば,治療の多様化に即した胎内治療の適応の確立が可能となる.当院ではB19感染胎児に対し羊水中のB19─DNA,エリスロポエチン(Epo),トロポニンT(TnT)を測定し,多角的に胎内感染の重症度を解析することを試みているので,最近のB19に関する知見とともに紹介する.
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