今月の臨床 新生児の蘇生と管理
分娩室での蘇生
1.新しい考え方とConsensus 2005の概要
田村 正徳
1
1埼玉医科大学総合医療センター小児科
pp.115-119
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101657
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はじめに
国際蘇生法連絡委員会(International Liaison Committee on Resuscitation:ILCOR)は,2005年末に,5年ぶりに心肺蘇生法の概要の大幅な改正を提言した(Consensus 2005)1).アメリカ心臓協会(American Heart Association:AHA),の2000年版心肺蘇生法国際ガイドライン(AHA 2000)2)に比較すると新生児蘇生法に関しては小児の蘇生法ほどの大幅な改訂は行われなかったが,いくつかの重要な変更が行われた.こうした変更を受けて日本救急医療財団の心肺蘇生法委員会の日本版救急蘇生ガイドライン策定小委員会(委員長:丸川征四郎,小児科学会推薦委員:清水直樹,田村正徳)は,日本版救急蘇生ガイドラインを作成し,ホームページ3)にて関係者の意見を聴取したのち,2007年1月に確定版を出版4)した.また,日本周産期・新生児医学会は,このConsensus 2005に基づく日本版新生児心肺蘇生法を周産期医療関係者に修得させるための日本版新生児心肺蘇生法普及講習会を学会の認定事業(NCPR)5)として2007年1月から開始した.このように,今回のILCORのConsensus 2005はわが国の新生児心肺蘇生法の標準化とその普及活動の直接の引き金として作用した.
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