今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
V 腫瘍
【子宮筋腫】83.過多月経に伴う貧血を認める患者です.
京 哲
1
1金沢大学大学院医学系研究科産婦人科
pp.596-597
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101516
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1 診療の概説
貧血の原因が過多月経であるのかどうかをまず鑑別することが必要である.本稿では貧血の原因が過多月経以外に認められない場合を念頭に置いて概説する.
過多月経をきたす疾患として代表的なものには子宮筋腫,子宮内膜症(子宮腺筋症),子宮内膜ポリープがある.これらが互いに合併していることも多い.子宮筋腫はサイズと症状が必ずしも一致しないことが多く,小さなものでも粘膜下筋腫では過多月経を引き起こしやすい.一方,過多月経のなかに子宮内膜増殖症や子宮内膜癌による出血が隠されている場合もあるので注意を要する.また,これらの器質的異常が認められないにもかかわらず,過多月経が引き起こされる場合もある.
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