今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント
月経異常
7.過多月経
南 佐和子
1
,
八木 重孝
2
,
井箟 一彦
2
1和歌山県立医科大学総合周産期母子医療センター
2和歌山県立医科大学産科婦人科学教室
pp.408-411
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102625
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1 概 念
月経とは「約1か月の間隔で起こり,限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」であると定義されている.一般に月経量は20~140 gで過多月経とされるのは140 g以上の出血量と判断される1).しかし,実際に測定されるわけではないため主観的な判断となる.英国のNational Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)のHeavy Menstrual Bleedingの診断と治療のガイドラインでは,月経量が多いことによって身体的,精神的および社会的にQOLが障害された場合に臨床的には過多月経と判断してよいとされている2).過多月経は過長月経を伴うことが多く月経困難症も伴うことが多い.
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