今月の臨床 中高年女性のトータルヘルスケア
骨盤底機能障害
尿失禁治療のベストチョイス
巴 ひかる
1
1東京女子医科大学東医療センター泌尿器科
pp.901-904
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101414
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はじめに
尿失禁は,国際禁制会議(International Continence Society : ICS)で討議され2002年に新しく用語基準で定められた「下部尿路症状(lower urinary tract symptoms : LUTS)」のなかで,代表的な蓄尿症状である1).女性の尿失禁の発生率は12~45%とされるが,近年ノルウェーで行われた大規模なコホート研究であるEPINCONT studyによると20歳以上の女性の尿失禁罹患率は25%であり2),日本における疫学的研究でも40歳以上の女性の尿失禁罹患率は43.9%と高率であった3).
女性の尿失禁は,おもに腹圧性尿失禁(stress urinary incontinence : SUI),切迫性尿失禁(urge urinary incontinence : UUI)とこれら2つを併発する混合性尿失禁(mixed urinary incontinence : MUI)の3つのタイプに分類され,全体の90%以上を占める.本稿では,代表的な尿失禁であるSUIとUUIおよびUUIの最大の原因である過活動膀胱(overactive bladder : OAB)の病態と治療について述べる.
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