今月の臨床 中高年女性のトータルヘルスケア
更年期障害と関連疾患
2.うつを見逃すな
大藏 健義
1
1獨協医科大学越谷病院産科婦人科
pp.882-885
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101410
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はじめに
WHOからの報告によると,うつ病の発症頻度は男性5~12%,女性10~24%であり,女性が男性の2倍である1).女性のうつ病は,いずれもホルモン変動の大きい月経前期,分娩後,および更年期の3つの時期にそれぞれ発症のピークがある2).更年期のうつ病は,更年期外来受診者または更年期障害患者の23.7~28.4%に合併しているとされる3~5).また,うつ病またはうつ状態の初診診療科は内科が圧倒的に多く64.7%を占めるが,ついで婦人科が9.5%,脳外科が8.4%と続く6).このように,うつ病は婦人科医にとっても重要な疾患であるが,更年期外来では更年期障害としてひとまとめにされ,うつ病が見逃されている可能性も少なくないと思われる.
本稿では,婦人科医が日常診療で接することが多い更年期女性のうつ病について,疫学,診断,および治療について概説する.
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