今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方
I. 周産期
[子宮復古不全]
6.出血量が多い子宮復古不全の対処と処方について教えて下さい.
長塚 正晃
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学医学部産婦人科
pp.378-379
発行日 2003年4月10日
Published Date 2003/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100947
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1 診療の概説
子宮復古不全は,子宮収縮不全のために産褥の子宮復古が障害される状態をいう.分娩後の子宮重量は約1,000 g程度であるが,産褥1週間で約500 g,3週間で約200 g,6週間後では100 g以下となる.子宮腔長も産褥6週間後には非妊時とほぼ同様の7 cm程度となる1).子宮復古不全では,子宮は産褥各時期に比べて大きく,軟らかく,子宮頸部・外子宮口の閉鎖,退縮が遅れる.
1. 原 因
最も多い原因は胎盤片,卵膜片などの子宮内残留である.そのほか膀胱・直腸の充満,分娩時の大出血,極端な早期離床,反対に過度の安静,子宮筋腫合併,子宮内感染などがある.また,多胎分娩,羊水過多,非授乳婦,頻産婦などに起こることがある2).
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