今月の臨床 妊娠と薬物―EBM時代に対応した必須知識
総論
2.薬物の胎児・新生児への影響
塩田 浩平
1,2
,
才津 浩智
1
1京都大学大学院医学研究科生体構造医学講座
2京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター
pp.657-661
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100921
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はじめに
妊婦や授乳婦が医薬品などの化学物質を摂取した場合,経胎盤的にまたは母乳を通じて胎児や新生児へ移行し,薬物によってはその発生や発育・機能発達に影響を及ぼす.その影響が好ましくない場合に,これを「生殖発生毒性」と総称する.生殖発生毒性は(1)妊娠(受胎)の阻害,(2)受精卵や胚・胎児の胎内死亡,(3)形態発生異常(奇形)の誘発,(4)発育阻害,(5)機能発達の阻害,という形をとって現れる.本稿では,胎児と新生児に対する薬物の影響に関する一般的な事項を論じる.
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