連載 OBSTETRIC NEWS
緊急頸管縫縮術は有用か?(1)(ノースウエスタン大学20年間の研究)
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.872-873
発行日 2003年6月10日
Published Date 2003/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100914
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子宮頸管機能不全は,(1)古典的歴史的な頸管機能不全の所見(2回以上の第2トリメスター流産歴+出血なし,または流産に先行する明らかな早発陣痛のサインなし),(2)妊娠中の内診または超音波検査所見(異常に短い頸管またはfunneling≧40%),または(3)頸管開大2 cm以上+顕著な頸管展退+規則正しい痛みを感じる子宮収縮なし,などによって診断される(OG 100 : 1313, 2002).
しかし,これら3種類の頸管機能不全に対する治療方法に関する決定的データはない.頸管縫縮術が頸管機能不全の治療としてしばしば採用される.頸管縫縮術は,予防的(古典的歴史的所見に基づく),urgent(妊娠中の内診または超音波所見に基づく),そして緊急(頸管開大が進んだ例)に大別される.予防的頸管縫縮術は,胎児救済率は75~90%である(Clin Perinatol 10 : 321, 1983)が,3回以上の早産歴のある場合のみに有効という研究結果(BJOG 100 : 516, 1993)に代表されるように,予防的頸管縫縮術の有効性に疑問が持たれている(BJOG 91 : 731, 1984/BJOG 91 : 724, 1984).また,Urgent頸管縫縮術の有効性には異論があるが,少なくともロウリスク妊娠で短縮頸管に行う頸管縫縮術に慎重な専門家が多い(Iams JD : 私信,1993年1月)のが現状であろう.今回は,緊急頸管縫縮術に関する最近の研究を2回に分けて紹介する.
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