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症例
患者:31歳,主婦.0経妊・0経産
主訴:右下腹痛
既往歴:3年間の不妊症
家族歴:特記すべきことなし.
現病歴:昨年11月1日,30mm大の左卵巣腫瘍がみつかり,CA125 40U/ml,CA19-9 61U/mlであったため経過をみていた.本年5月初旬から約1週に及ぶ増強する右下腹痛を訴えて5月10日に来院した.診察を行ったところ,両側に卵巣腫瘍を認めたため,5月30日にMRIを予約した.
入院時現症:子宮は鵞卵大,右卵巣は超鵞卵大,左卵巣は鳩卵大であった.分泌物は漿液性・少量で,子宮腟部びらん(+),子宮圧痛(++)であった.
超音波所見:右卵巣腫瘍は長径75mmで,なかに30mm程度の2つの充実性部分を認めた.腹水は認められなかった.
検査所見:CA19-9 8,570U/ml,CA125 5,460U/ml,CEA0.5ng/ml,CRP6.21mg/dl,LDH418IU/l,GOT13IU/l,GPT5IU/l,γ-GTP8IU/l,TC210mg/dl,TG51mg/dl,BUN11.3mg/dl,Cre0.7mg/dl,Hb12.3g/dl,Ht35.5%,Plt20.7万/μlであった.
MRI所見(5月30日):骨盤冠状断面で,中央の子宮両側の卵巣がともに腫大しているのがわかった(図1).卵巣:骨盤内両側にT1強調画像にて高信号を呈する嚢胞性病変が認められた(図2).T2強調画像では右卵巣腫瘍はやや低信号を呈しており(図3,4),左側には液面形成が認められた.子宮:後屈子宮で,底部筋層内にT1強調画像,T2強調画像でいずれも低信号の結節性病変を認めた(図5).
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