今月の臨床 高年妊娠-母児ケアのポイント
高年妊娠の産科リスク
藤森 敬也
1
,
園田 みゆき
1
,
佐藤 章
1
1福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座
pp.14-19
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100702
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はじめに
近年,欧米をはじめ日本においても,出産年齢が高くなる傾向が著しい.日本においては1970年と2000年を比較すると,初めての子供を出産する年齢が25.6歳から28.0歳へと上昇してきている.高年出産とは,世界産婦人科連合(FIGO)では,初産婦が35歳以上,経産婦では40歳以上と定義している.日本においては,高年初産婦を35歳以上の初産婦とすると定義しているが,経産婦での定義はなされていない.
日本において35歳以上で出産した全出産数との割合は,1960~1980年では4.2~5.8%程度であったが,1990年では8.6%となり,以後増加をつづけ2003年では14.0%となった.40歳以上の高年出産をみると,1970年には全出産数との割合では0.5%であったものが,2003年では1.6%と約3倍増加してきている1).高年出産は染色体異常や多胎が多いこと,帝王切開(以下,帝切と略す)分娩が多いことが知られている.
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