今月の主題 動脈硬化と高脂血症
atherogenicリポ蛋白の機能およびその診断と検査法
small,dense LDL
芳野 原
1
,
平野 勉
2
,
鹿住 敏
3
1東邦大学医学部臨床検査医学
2昭和大学医学部第一内科
3兵庫県立リハビリテーション中央病院内科
pp.598-603
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908650
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ポイント
疫学的に最も心筋梗塞の発症との因果関係が明らかなリスクファクターは血中コレステロール,特に低比重リポ蛋白(low density lipoprotein:LDL)-コレステロールであるが,さらに最近ではサイズの小さく比重の重いsmall,dense LDLの動脈硬化惹起性が注目されている.
small,dense LDLを保有する症例は“パターンB”と呼ばれ,正常なサイズのLDL粒子をもつ“パターンA”に比べると,冠動脈疾患発症のリスクが3倍となる.
small,dense LDLは冠動脈疾患を有する症例の70%以上が保有しており,日本人における新たな冠動脈疾患のリスクファクターとして注目される.
small,dense LDLは酸化LDLの良きsubstrateであり,LDLレセプターに認識されにくく血管壁におけるproteoglycanとglycosaminoglycanに対する親和性の増加がその動脈硬化惹起性の一因と考えられている.
妊娠中毒症のみならず正常妊娠においてもLDL粒子は小型化する.
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