今月の臨床 血栓症と肺塞栓―予防と対策
血栓症のリスク因子
1.周産期におけるリスク因子
山田 秀人
1
,
島田 茂樹
2
,
森川 守
2
,
平山 恵美
3
1北海道大学大学院医学研究科病態制御学専攻 生殖・発達医学講座産科・生殖医学分野
2北海道大学病院産婦人科
3北海道大学病院周産母子センター
pp.646-653
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100514
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はじめに
妊娠自体が静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)のリスク因子である.高齢,帝王切開術,高度肥満,VTE既往歴,先天性血栓性素因(antithrombin,protein C,protein S欠損症),血縁VTE既往歴,器質的静脈疾患,脱水や血液濃縮,炎症性疾患,長期間の不動・安静臥床が必要な産科疾患,妊娠悪阻,妊娠中毒症,卵巣過剰刺激などが産科関連のVTEリスク因子として挙げられる.後天性血栓性素因である抗リン脂質抗体症候群はVTEのみならず,動脈血栓症や産科異常のリスク因子でもある.これら因子と血栓予防ストラテジーについて解説する.
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